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5月, 2026の投稿を表示しています

『不便さを金で買う路線』・城北線という選択肢。

 久々の旅行記事です。今回は偉大なるローカル都市鉄道「城北線」に乗って『ぽちフェス』に参戦してきました。その往路と会場の記録のはずだったのですが、『ぽちフェス』の話は一切出てきません。 駅名標は親会社JR東海のものをアレンジした独自仕様だ  名古屋には、城北線、というローカル線がある。その名の通り、名古屋『城』の『北』を走る路線である。三大都市圏に挙げられつつも『巨大な田舎』の名をほしいままにしている名古屋市を抱く愛知県において、武豊線亡きあとの最後の非電化路線(※)として栄誉ある地位を占めている鉄道路線である。  ※ここに注をつけたのは、『ガイドウェイバス』なる奇っ怪きわまる交通が一応大曽根〜小幡緑地間を走っており、同路線が一応非電化で存在するとの指摘を避けるためである。  軽く情報をまとめておこう。城北線、正式には「JR東海交通事業城北線」は、JR東海道本線の枇杷島駅から同じくJRの中央本線の勝川駅とを結ぶ、全長10キロ足らずの鉄道路線である。途中の比良・小田井の両駅は名古屋市内に立地しており、沿線には大型商業施設が展開しているなど、大都市近郊路線としてのポテンシャルを存分に感じさせる路線である。にもかかわらず、列車は26本/日しかない。つまり、概ねラッシュ時間を除くと1時間に1本しか走っていないのである。 あまりに本数僅少な時刻表 土休日なので複数本ある時間の列車の大多数は運休である  しかし、城北線を偉大なるローカル線都市鉄道たらしめている点は走っている地域の問題だけではない。そのあまりに立派な設備と、流転の半生がもたらす空白が大きな部分を占めている。城北線の前身となる「国鉄瀬戸線」は1960年代、旧国鉄が名古屋駅を迂回する貨物のバイパス路線として建設を進めたものだった、しかし、折からの累積赤字増大の中で新線建設は凍結され、完成間近で工事はあえなく中止となった。 その後激動の民営化を迎える中で、JRによって旅客化が目指され子会社が運営するという形で現在に至るも、建設費償還のためのやたら高額な運賃と、他公共交通機関との連携が全く無視された駅の立地と、バリアフリーへの配慮が欠落した構造など、随所に間に合わせの色がにじみ出た旅客輸送が行われており、あらゆる点で不便さを享受することができる。  そんな城北線の魅力はどこからくるのか?というのは、至極真っ当な問いだと言...

AIR旅チケット2 購入品の記録その2

 さて、今回はAIR旅チケット2で買い求めた品についての記事の続編です。 (前回エントリ ▶  https://railandstrolling.blogspot.com/2026/05/air-tabiticket2-review1.html ) 意外と紹介記事を書くのは難しく、感じたことや思い出したことを何度も読み返し反芻する必要があるのです。言うなれば本の牛といったところですね。では、本題に入りましょう。  書影③ B5もしくはA4サイズ 『コンテンツツーリズム取組事例集7 豊橋編』 STRIKE HOLEさま  今やコンテンツツーリズムに取り組む街(一般的には「聖地」と呼ばれることも多いですが)は数え切れないほどあります。フィルムコミッションなどが法人化されるんど、精力的に誘致活動をしている地域も増えてきました。しかし政策的な視点に立って考えると、他地域の真似をするだけでは当然うまく行きません。そこに地域の味を加えること。それが真の腕の見せ所です。  もうシリーズ7作目になるという本著では、『負けヒロインが多すぎる!』の舞台となって大々的な取り組みが展開された豊橋を研究対象地域とし、聞き取りや訪問を行った記録となっています。東三河・豊橋のフィルムコミッションといえば、TBS系列で放映された日曜劇場『陸王』を始め、ドラマ作品を中心に活動されてきた印象。アニメーションに着目した取り組みは手探りだったことでしょう。その中で輝くキーマンの存在と、ステークホルダーに緻密に取材を重ねた本著は、現在進行系のダイナミックな動きに着目した第一線の研究成果と言えます。 『IMPREZA G4 走行距離11万km車と向き合った記録』 白隧電送さま  自動車を購入するという行為は、価格帯からして高額であり、多くの人間にとり究極的な耐久消費財を購入しようという試み(≒買い物)であります。しかし、究極的な自己満足の行為でもあり、その過程を言語化するというのは多くありません。それが書籍となればなおさらでしょう。ということで、はやかぜ氏がいかにしてスバリストになったかを示す同著は、貴重な心情変化を読者に追体験させてくれます。更に、部品交換を経て真に所有物として深化していく様子もポイント。自動車ブログ等ではあっさり交換されたりする部品も、決して安い買い物ではないのです。 ...

AIR旅チケット2 購入品の記録その1

 さて、今回はAIR旅チケット2で買い求めた品についての記事です。 開催から早くも2ヶ月弱が経過しており新鮮さを失っていることもあって、満を持してというほどのものではありませんが、お買い上げしたものを簡単にご覧にいれようと思います。 書影① いずれもA5サイズ 『あつまる。北海道・首都圏の公共集合住宅』 『まるいの。北海道の円形校舎 増補改訂版』 最果て十字街さま  集合住宅本と、円形校舎の探訪録です。私自身が円形校舎を見たのはどこだったかなぁ。定かには覚えていないのですが、どこかを旅行途中にたまたま通りがかって見かけたのをいたく感動したのを覚えています。数年前には去るアニメ映画で登場していたのも話題になっていたのも記憶に新しいところです。今回購入したこちらの本では、そんな円形校舎の現存するもの/しないものにスポットライトを当て、内外装や消息を写真で紹介いただいています。数年前に壮大なドーム屋根が崩落してしまった羽幌町立太陽小学校の在りし日の姿も。 集合住宅の本も、北海道と首都圏の全国各地の集合住宅を紹介いただいています。表紙の螺旋階段は室蘭市にあった東町汐見団地のもの。竣工時の写真と解体近づく末期の写真とが対照的です。そういえば、最長片道の旅で見た苫小牧駅南側に立地している団地(おそらく王子製紙の社宅)が明かりもまばらな中で静かに雪の中に沈んでおり、どことなく異国情緒を漂わせていたのを思い出しました。 『知るくしろ Vol.1 釧路町の海岸を訪ねて』 とらけるぶ組合さま  上の本では道央室蘭市や苫小牧市の団地の話をしてきましたが、打って変わって道東は釧路市…のお隣、釧路町の海岸を探訪している本。「釧路町」というと、釧路市の隣町、という程度の認識くらいしか持っていなかったのですが、自動車なき時代にその地で暮らしたアイヌの人々と脚と船で踏破していた和人探検者に思いを馳せつつ読破しました。 著作中ではアチョロベツの海岸に穿たれた素掘り隧道に軽く触れられていますが、数年前にCBC製作『道との遭遇』で紹介されていた記憶が蘇ってきました。記憶が確かなら、「危険な水際を通る経路を避けるため、小中学生が自ら手掘りして隧道を掘った」という噂から、同地の手掘り隧道を探訪するという内容でした。本誌と合わせてご覧いただけるといいかもしれません。 書影② 『同人誌クックブック』を除きA5サ...