今回はGWお出かけ記録三部作の終章です。一時日本海を見た筆者は、『究極の改造気動車』を求め再び中国山中へと分け入っていきます。途中の出会いと懐『旧』趣味(ノスタルジー)あふれる旅の様子をまとめました。
他記事へのリンクはこちらから。
序の章
ワクワクSUN_KOH その序|#からしな日記
https://railandstrolling.blogspot.com/2026/09/sunkoh.html
端の章
ワクワクSUN_KOH 端の章 | #からしな日記
https://railandstrolling.blogspot.com/2026/09/sunkoh-hanosyo.html
旧の章【イマココ】
─────────────────────────────────────────
前回宍道に着きましたので、ここから出雲大社を経て、宿のある松江までをダイジェストでご紹介します。出雲市までは山陰本線をキハ126の普通列車で移動します。山陰本線の伯耆大山〜西出雲間は電化されていますが、あくまで伯備線と直通する特急のための電化という色彩が濃く電車運転をしていない列車も少なくなりません。
電鉄出雲市に来ました。もと京王5000を出自とする2100系が登場。しかもイベント用の「IZUMO-BATADEN 楯縫」に改造された2103編成でした。このとき電鉄出雲市方だったデハ2113号車は中間扉が埋設された点を除けば通常の京王5000と変わらぬ姿ですが、松江しんじ湖温泉方だったデハ2103号車はソファーシートに改造され、一畑口〜松江しんじ湖温泉間では宍道湖の湖面展望を楽しめるようになっています。
が、肝心のソファーシートの写真がありません。ですので、車窓を1枚だけご紹介。
川跡駅で乗り継ぎ、出雲大社前駅へ。レトロロマンあふれる駅舎ですが、既に出雲大社は閉門済みのこの時間に人影はまばら。こうなると住民の時間なので日常に溶け込んだ姿を見せてくれます。折返しの電車の発車まで少し時間があるので門前町をぶらぶらとしてみるも、空いているお店はほとんどなく、立ち並ぶ旅館から賑わう声がかすかに聞こえる程度。観光地らしからぬ静寂が街を包む空気は最高ですね。
たまにはこんな時間に散策するのも悪くなさそうです。
ここからは松江駅前の宿を目指して北松江線を東へ。列車は一畑口駅で前後が反対になります。松江しんじ湖温泉駅に到着。この辺りになると疲れてきて記憶も写真も曖昧なことが多いです。その後松江駅前まで市バスに乗車し、投宿。
駅前の居酒屋で名物の鯖しゃぶをいただいて、2日目が終わりました。
さて3日目は最終日。
山陰線を再び東へ進み、米子で下車。境港線を攻略する班と米子で散策する班に別れたので、米子を代表する観光地に向かいました。ご愛読者の方はもうお分かりですね。そう、JR西日本後藤工場です。古くは山陰路への鉄道開業とほぼ同時に開設された歴史ある車両工場で、北陸新幹線敦賀開業に伴う松任工場が閉鎖された今では日本海側唯一の拠点工場となっています。後藤駅で下車してみると、同好の士と思しきものたちが散策。そのうち一人の青年に声をかけられたので、ともに散策することとしました。
後藤工場を外から眺めてみます。前年に引退した特急電車、381系電車の幻影を求めて訪ねてみましたが既に解体されきっていたよう。一応入れ替え用のモーターカーと解体を待つクモヤ143を見学することはできましたので、最低限の車庫見学の目標は達成。ご投稿上からはバスで移動し、米子機関区をこちらも遠くから見学します。現役の扇形機関庫には青と白の星模様の機関車が!懐かしい奥出雲おろち号塗色の機関車(DE10 1161号機)でした。ちょうど京都鉄博での展示を控えていた頃だったはずです。
親切に案内してくれた青年氏にお礼を述べつつ別れ、境港線を踏破に向かった班と合流して米子駅から伯備線特急やくもに乗車します。273系特急電車4両編成での運行ですが、同系列では新機軸としてコンパートメントが設けられており、こちらに乗車しました。
コンパートメントは2人がけと4人がけがそれぞれ2室ずつ準備されています。いずれもウエストエクスプレス銀河にて試供中の設備をもとにしたもので、座席部を展開することで靴を脱いでくつろげる小上がり状のスペースを展開できます。静粛性も高く非常に快適でした。
約1時間ほどの乗車により、新見駅に到着。先程境線へと進んだ友人らとはここで別れ、備後落合へと再訪するチームと、ここから姫新線に乗って東進するチームとに別れました。姫新線は新見から姫路を結ぶ長大なローカル線です。実態としては新見〜中国勝山〜津山、津山〜上月・佐用、上月・佐用〜播磨新宮〜姫路で大きく3分割されていて、姫路近郊では市町村の補助のもと高速化工事が実施されて30分に1本の頻発運転が行われている一方で、それ以外はローカル輸送に徹しており、新見方では1日8往復ほどしか運行がありません。
上記写真は、この区間最大の「中国勝山」のものです。越前の勝山との重複をおそれ、なんとも大きい名を背負うこととなった駅ですが、未成に終わった倉吉〜山守〜中国勝山を連絡する「南勝線」の終着(予定)駅でもあり、岡山県北最大の高原リゾート地帯蒜山高原の玄関口として、立派な駅舎が設置されています。
列車は終点津山に到着しました。岡山からくる津山線と鳥取へ向かう因美線、姫新線とがお互いに結ばる場所です。しかしここで降りたのは乗り換えのためではなく、『津山まなびの鉄道館』を訪問するため。下車してあの名車に会いに行きます。
ここで出会いたかったのがキハ33でした。『レッドトレイン』として地方輸送の近代化を支えた50系客車のオハ50を種車とし、気動車化改造を施した一般型気動車です。鉄道荷貨物輸送の縮小と機関車の減少は客車運転をも縮小させ、新製間もない50系客車に大量の余剰車を生じました。そこで、折からの気動車老朽化の問題解決に向け、気動車化の改造を施したのはキハ33です。北海道の「親戚」と違い、中国地方ではキハ47が新製配置されたことで片運転台車が充足していたためか、はたまたワンマン運転時の利便性を考慮してか両運転台車とされ、扉を移設してワンマン運転に適した半室式の運転台ブロックを増設する大掛かりな改造メニューとなりました。しかし、この扉移設・運転台増設の工事が工数とコストの増大を招き、安価に数を揃えるはずが結局改造施工はわずか2両にとどまることとなりました。
しかし境線を中心に20年以上にわたり山陰路を駆け巡り、当地で保存展示されるに至ったのは、同車の愛される特性ゆえといえましょう。
この他にも、同館に収蔵されている車両は歴史的・技術的価値の高い形式もさることながら、時代の波間に消えていった形式にもスポットライトを当てている点が特筆されます。その一つが、国鉄DE50形ディーゼル機関車です。蒸気機関車を置き換えるため、幹線向けにはDD51やDD54、支線区にはDE10といった機関車が投入する中で、まだまだ蒸気機関車による列車が多かった亜幹線(山陰本線や伯備線、高山本線等)の無煙化を企図して開発されたのが同形式でした。試作ではなく本格量産を見据えて「1号機」が製造されましたが、折り悪くオイルショックが発生。さらに投入予定の伯備線や高山本線等を電化するプランが持ち上がると、増備はキャンセルされました。山岳地帯の導入を念頭に置いた強力で複雑なブレーキ機構が現場での整備面で課題があったことも増備中止の要因として考えられています。
訪問当日は折しもGW。特別企画がいくつかやっていたので、一通り参加しました。高所作業車に乗って空から機関区・機関庫を見てみる企画では、高さ数十メートルから扇形機関庫を眺めました。流石に高く、足を震わせながら撮影したのが以下の写真。風があまりないので揺れはあまりありませんでした。現役真っ只中の津山機関区も上から見学。キハ120も増えていますが、キハ40たちが憩う景色は四半世紀以上変わらぬ景色です。
ついでにD51の汽笛吹鳴体験にも参加し、充実の見学となりました。
再び津山駅からは姫新線に乗り、佐用駅で智頭急行に乗り換えます。これまでの自然地形に沿ってうねうねと曲がりくねった姫新線から、高速運転のため山河を直線的に貫く智頭急行線に乗り換えると、普通列車といえどもその違いは歴然。長大な高架橋と直線的なトンネルで速度を落とすことなく列車は走り続けます。わずか10分ほどの乗車時間の末、またたく間に上郡駅へ滑り込みました。
到着するやいなや、関西発着の特急スーパーはくとと岡山発着のスーパーいなばがホームにけたたましく入線し、駅は一気ににぎやかに。この時期のスーパーはくとは臨時増結を行っており、有名な『増2号車』も増結しています。短い時間での乗務員交代の後、再び素晴らしいディーゼルサウンドを轟かせながら両列車は出発していきました。
姫路まで普通列車に乗車の後、姫路からはちょうどやってきた特急はまかぜに乗り換えます。こちらも播但線の山がちな区間を抜けて姫路駅で山陽本線に出たところで乗車していきますが、山陽本線ではかつてのキハ181がそうであったように、その俊足を活かした走りを見せてくれます。ところでこのはまかぜのキハ189は何よりもデザインが秀逸。旧型車両の特徴であった上部のライト周りのデザインはそのままに、現代的な気動車デザインを作り上げています。京都丹後鉄道も同形式を導入予定ということで、期待が高まりますね。
列車は三ノ宮を抜けて終着大阪へ到着。ここからは新大阪に出て、ようやくGW2泊4日の行程が終了となりました。
普段の旅行系のエントリの内幕を話すと、ここで紹介する旅行は一人旅なことが多いのです。ですが、今回は大型連休ということもあり友人らとの旅路となりました。とはいっても、友人らとは途中離合集散を繰り返していて、1つの旅でありながら訪れた場所、見たもの感じたことが違います。それだけに、いろんな視点から旅行を描写する、いうなればアンソロジー的な形式にできると面白いと思うので、他の友人らのエントリがどこかにひっそりと出現することを心待ちにしようと思います。
さて、長くなりすぎる前にこれにてGW記事「ワクワクSUN_KOH」3部作は完結となります。次回はそろそろ旅行『じゃない』話を記事に起こそうと考えていますので、鋭意準備を進めていきますのでお楽しみに。
それでは今回もお読みいただきありがとうございました。次回もお読みくださると幸いです













コメント
コメントを投稿
御覧いただきありがとうございます。